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高森明勅
2022.5.4 09:00政治

日本人はロシア・中国・北朝鮮の核より自国の核武装が怖い?

 

日本の周囲は核武装国が取り巻いている。

ロシア、中国、北朝鮮。

どの国も、お世辞にも“平和愛好国”とは言えない。

日本との関係も、ロシアとはいまだに講和条約が結ばれていないから、
国際法上は「戦争」状態が続いている(にもかかわらず安倍晋三元首相
の決断により過去6年間だけで約200億円の経済援助を行っている)。

北朝鮮についても、国際法上、朝鮮戦争は終結しておらず、
一般には余り知られていないかも知れないが、北朝鮮との戦争を担う
朝鮮国連軍の後方司令部が現在、横田飛行場(東京都福生〔ふっさ〕市)
に存在している
(外務省ホームページ「朝鮮国連軍と我が国の関係について」など参照)。

中国とは平和友好条約を結んでいる(昭和53年)。
だが尖閣諸島を巡る対立をはじめ、とても友好的な関係とは見なし難い。

にもかかわらず、何故か警戒心が薄い。

例えば核シェルターの普及率は、折に触れて唯一の
戦争被爆国であることを強調して来たはずの日本が、異様に低い。
スイス・イスラエルが100%、ノルウェーが98%、アメリカが82%、
ロシアが78%、イギリス67%なのに対して、わが国はわずか0.02%という
(日本核シェルター協会が2014年に公表した数字。
熊谷裕人参院議員〔立憲民主党〕の質問主意書から再引用)。

核脅威への驚くべき鈍感さ。
平和ボケも甚だしいと言うべきか。

改めて考えてみると、日本人の多くは、ロシア・中国・北朝鮮の
核兵器よりも、わが国が自ら核武装することの方を
警戒しているのではあるまいか。

普通ならあり得ない異常な心理ながら、
どうやらそれが実情のような気がする。

【高森明勅公式サイト】
https://www.a-takamori.com/

高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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